凍えるバス車内

立春を過ぎ、春の足音が聞こえる気がする。
けれども夜はまだまだ冷える。
会社からの帰り道、バスの一番後ろの座席に座った。

バスが動き始めると、物凄く冷たい風が頬を直撃した。
コロナ対策で窓を開けることは良くあるが、この日は通路を挟んで斜め前方の窓が大胆に口を開けていた。

こんなだから暖房は敢えて切っているのか、最前方の運転士は暖かいのか知らないが、車内全体が冷たい。

「カバンの中に朝開けたカイロがあったはずだ」

手探りでカバンの中を探るとすぐにカイロが見つかった。しかし、放置していたからか、生ぬるい気がするくらいで、しばらく握って再起動を試みるも、一向に温かくならなかった。

始発から乗車して15分くらい経過、道程も折り返しの頃、嫌な予感がしてもう一度カバンの中を探ると、別のカイロが見つかった。

そのカイロはポカポカに温まっていた。

私は使ったものをそのままに、すぐに捨てずに、元あった場所にも戻さないきらいがある。

寒すぎるバスに文句を言っても仕方ない。

使ったものはその日のうちにちゃんと捨てよう。使い古したカイロに期待してしまう。