危険な Wニンニク牛丼

友人とのドライブの帰り道、すき屋で夕食を摂った。

いつもはねぎ玉牛丼やチーズ牛丼、おろしポン酢牛丼あたりのどれかをオーダーするところ、「Wニンニク牛丼」たる期間限定商品が目に留まった。

全国展開の牛丼屋のメニュー、「Wニンニク」と豪語するものの老若男女問わず食べることを想定しているだろうし、日常生活に影響を及ぼすことはないと、特にその日は土曜日、次回の出社まで中一日あったこともあり、頼んでみた。

「ニンニクの芽牛丼」に更にニンニクがまるごと5つくらい載せられたものが一瞬で提供された。

ニンニクは結構しなしなで、はっきりいっておいしくなかった。それでも牛丼自体はいつもの味だしニンニクの芽はニラのようで食感を豊かにすることに役立っていた。さらりと平らげて、帰宅した。

事件は次の日(日曜日)に起こった。

朝から、妻が、ものすごく不機嫌なのである。

「オヤジ臭がする。」「臭くて眠れなかった。」「洗濯物は下洗いしたのか。」などと、いきなり追い詰めるようなことを次々と言い出した。洗濯物の下洗いなど、これまでするように言われたこともなかったのに。

「昨日、すき屋のニンニク牛丼を食ったからだよ」と弁解しても意に介さず、納得してくれない。加齢により、いよいよオヤジ臭がするようになったのだとショックを受け、ひどくゴキゲンナナメになっていた。

結局、その日は素直に認め、(パフォーマンスも兼ねて)エアロバイクを漕いで汗をしっかりかき、入念に固形石鹸で身体を洗ってしっかり入浴し、いつもの数倍のクオリティの歯磨きを行って、水をよく飲んで、月曜日を迎えた。

月曜の朝はシャワーをしてから制汗スプレーを振りまいて出社した。会社ではあまり人に近寄らないように過ごして、いよいよ帰宅せざるを得ない時間を迎えた。

恐る恐る玄関の外開きドアを開けてリビングに入るが、あまり抵抗されることはなかった。やっぱり、加齢臭の原因はWニンニク牛丼だったようで、「臭いはほぼ消えているよ」と、自らの過ち(Wニンニク牛丼臭→加齢臭との誤り)を認めてくれたようだった。

Wニンニク牛丼をオーダーする場合は、食後2日間は一人で過ごせるようなスケジュール感で構えておいた方がいい。

でないと、周囲に迷惑をかけることになる。